日本の悪夢は世界の未来(悪い意味で)

JNTHED Mr. NaBaBa おぐち STAG ひるき


日本の悪夢は世界の未来(悪い意味で)
「A Nightmare Is A Dream Come True:
Anime Expressionist Painting」展を開催!


夢はいつか叶う、は悪夢への呪文であった。


戦後の復興の狂騒のどさくさに紛れ込まされ、70年間。愚民教育のフォーマットも完成し、個々が己の欲求のみに邁進し、社会の中の立ち位置、役割を思考せず、否、思考しないことが是であると教育され、そのような思想も最先端とされ、おたくと無責任が跋扈し、肩で風切る世の中。無知が力。 無能は誠意。それが正義であり、それが節度であるかのように評されていた。


惰眠を貪れる詭弁は、社会正義にうまい具合に紛れ込まされ、負の部分は気付かされずに生きてきた。しかし、昨年の震災をきっかけに、その安定に綻びが生まれ、中身に巣食う醜悪な実態が一気に人心の目を覚まさせた。原発の事故問題を皮切りに、歪みのあちこちが顕在化するが、何をどうすればいいのかわからない。構造的に物事を考え、理解し、手を考える、、、という教育は反故にされてきた。愚民はただ、ゾンビの行軍よろしく、おろおろと手をブラブラと無力におののいている。だから、なんだ。じゃあ、どうすりゃいいのか。具体的な処方箋を今の日本人は0から創りあげなければならない。いま、日本はそんな悪夢のど真ん中。スーパーフラットを通り越して、凹んだ社会のまっただ中。


さて、僕らクリエーターと言われる人種はどうだったのか?ここ十数年、コンピュータが社会の主役になってから、クリエーターと称される人種は、世の中で賛美されること、久しかった。が、それは何を意味した?専門学校の宣伝?愚民を更に加速させるためのアンチ社会化の啓蒙?


日本の歴史を紐解けば、非人、遊女のような社会内ヒエラルキーの最下層民族に与えられた拘束と自由とのバランスが、つまりは社会を構成する礎になってきた。が、現代のクリエーターはそうした枷がなくなっていた。なので、ただ自由奔放に、好きな事を好きなだけ、社会のモラルも関係なく越境こそが冒険、侵犯こそ勇気、と子供の肝試しレベルの正義がクリエーターの核心部分を構成していた。しかし、震災で湧きだした、自然の力、脅威に拮抗するには、人が社会組閣して対峙せねば解決不能という自明であった事実に気が付き、モラルの在り方に今一度疑問符が投げかけられている。


今の社会のリアルにフィットする表現を探せ。暗闇を暗闇として描く行為。


誠意をもって絵を描くこととはどういう態度なのか?そして、その作品にはどんな効能や可能性があるのか?暗闇を行軍するゾンビの持つ希望は『夢はいつか叶う』、、、からその嘘っぱちを告発する勇気と馬鹿力が、この展覧会のテーマである。


村上隆(本展キュレーター)


会期
2012年05月26日 – 2012年06月21日


オープニングレセプション
2012年05月25日(金)18:00 – 20:00


DJ: RE:NDZ a.k.a. kz(livetune)1ドリンク付き/入場無料


※同夜に渋谷WOMBで行われるKAI-YOU主催「天狗 A NIGHT!!」とコラボレーションし、本展出展アーティストJNTHEDが「天狗 A NIGHT!!」のVJとしてパフォーマンス。「天狗 A NIGHT!!」参加アーティストのRE:NDZ a.k.a. kz(livetune)がレセプションのDJとしてゲスト出演します。ソーシャル・メディア・プロジェクト2.5DによるUstream配信も。


協力:pixiv


会場
Kaikai Kiki Gallery


キュレーター村上隆によるステートメント
参加作家による座談会
AKA:悪夢のどりかむ 公開制作(pixiv Zingaro)


http://gallery-kaikaikiki.com/nightmare/