村上隆の「偏りすぎた現代美術講座2」

村上隆の「偏りすぎた現代美術講座2」
前回開催の大好評につき、4月5日に第二回目を開催したいと思います。そして繰り返しますと、このイベントはGEISAI#20、応募煽り企画です。どう煽りかといいますと、GEISAIの存在意義を確認する為の仕切り直し、とでもいいましょうか。


この企画を始めるきっかけになったのは、去る2月26日に開催されたシンポジウム「ジャパン・コンテンツとしてのコンテンポラリー・アート──ジャパニーズ・ネオ・ポップ・リヴィジテッド」の開催趣旨、
http://www.youtube.com/watch?v=C3iqI3ginRI
そして座談会の現場、それを美術手帖への転載(村上と楠見氏はほぼ書き直し)そして掲載、のプロセスの中で
http://on.fb.me/1m1fy0b
ほとほと日本の現代美術ジャーナリズムが嫌になった事に端を発します。
<「ポップ/ネオ・ポップ」美術手帖 1992年 03月号>の座談会から22年、、、という謳い文句のトークショウ。美術ジャーナリストの楠見清氏がモデレータとしてこのトークショウに中原浩大&ヤノベケンジ、そして僕を招集しました。
http://twitpic.com/dvf4kb
楠見氏の主眼目はなんだったのか?
https://www.facebook.com/kiyoshi.kusumi?fref=ts
細かい結果は今発売中の美術手帖のPOP特集内に座談会の書き直しが掲載されているので是非一読して欲しいのだが、まぁ、事の流れをこのブログが端的に書いています。
http://goo.gl/wKDlEQ

細かいことを言わせて頂くと、ココでの小崎哲哉氏の指摘は間違っています。<また、村上は「日本ではサブカルの言葉でアートが語られている」と非難するが、欧米のメインストリームに典型的な言説なら、例えば昨年春にロサンジェルスのブラム&ポー・ギャ ラリーで開催された、村上自身の個展についてのLAタイムズのレビューを読めばいい。実際には、過去の村上作品の評価も含め、サブカルの言葉でアートを語る言説は欧米にも存在する>

これはきちんと文脈を読み取っていません。日本の現在の現代美術言説が「サブカルとの相対化した比較文化論以外無い」ことが問題である、と言っているのであって、サブカルとの比較文化批評そのものを言及しているわけではないのです。


、、、と、まぁ、細かいところにも、とにかくいろいろ日本の現代美術を取り巻くシーンそのものに憤っていて、それらに決別し、かつ、今一度0からの現代美術の同士探しをGEISAIで行おう、という決意を新たにし、若者にしか可能性はない、として、29歳以下のアートに興味を持った人間に限定した語りかけ、そしてその内容は一切を口外しないという約束で、秘伝のタレを伝授するという主旨の会、それが<村上隆の「偏りすぎた現代美術講座」>の一回目でした。
今回はそのパート2。


文句を言っている手前、今一度、現在のアートシーンのおさらいをし始めています。シーンは相変わらず、世界各地に散らばっていますが、今は再びNYが存在感を醸していると言えましょう。アートのキャピタルと主要ギャラリーが固まっていることからNYはそういった情報が集まりやすい都市であること。ただし、そこに、日本固有のアートシーンの立ち位置は付け入る隙が見当たりません。理由は既に言い続けていますが、日本の現代美術の主流は<日本美大式「クリエーターの自分探し」>に集約されているため批評を近づけず、外の情報の不勉強を『クールジャパン』や椹木野衣氏的な「悪い場所」と嘯いて、弱い自分を開き直っています。そういう考え方に真っ向から反対している訳です。


前回はざっくりとした現代美術を取り巻く構造の解説から入ってホイットニーミュージアム(Whitney Museum)で行われたワイドガイトン(Wade Guyton)の「OS」展のカタログ内の全図版の検証そして、会場での質疑応答を行いました。今回は、先日NYに訪れた際に入手した、あれこれの情報と共に、僕らが進むべき方向性なども示唆してみたいと思います。あ、ここでの方向性って、ズバリ『カルト』ですからね。一般論ではありません。日本美術業界での一般論なんて糞食らえ、と思いますが、なんでもかんでも一般論重視の輩にとっては、僕の意見は『カルト』以外何物でもありません。なので『カルト』嫌いな方はご注意ください。場所は前回と一緒の中野ブロードウェイ2FのZingaro Spaceで開催します。


今回は前回に付け加えて、講演後、会場に来た参加者のみんなで、懇親会を開けたらと思います。村上との対話、のみではなく、主に集まった皆で、情報交換などをしてみてはどうでしょうか?という提案です。僕も少しは参加しますが、教義を伝授する教祖的な役割はやりたくないので出来たら参加者の皆さんで懇親して欲しいのです。難しい現代美術を愛好する日本人は少ないです。なので、今回は参加時に、懇親会用に、カードにご自身の名前、年齢、所属している学校、会社、派閥等を書き記してもらい首からぶら下げてもらって、お互いが話し相手として、メンション出来るようにしてみたいと思います。前回は講演の聴講代金の中に、BAR Zingaroのソフトドリンク1杯のクーポンがついていましたので講演前に引き換えて、講演中に飲まれる方がほとんどでしたが、今回は、講演前はソフトドリンクのみのサーヴをさせてもらい(酔った観客との対話はいただけないので)講演後はそのクーポンでソフトドリンク、アルコールは主催者指定のビールかパンチを提供させていただきたいと思います。(どちらにせよ聴講券についてくるのは1杯のみのクーポンではありますが、、、スミマセン)BAR Zingaroのカクテルなどは正規の料金でご購入いただけるとありがたいです。(ちなみにBAR Zingaroは23時まで営業していますし、中野は飲み屋街として質量共にずば抜けています!)そういうことですので、是非、また、我こそは偏っていたとしても、現代美術生の声を聞くんだ!と意気込める方!参加してください。


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あ、それから、前回の開催時の聴講者の皆さんへのお願いを今回も踏襲したいと思います。第一回目の時に書いた注書きの文面をそのまま掲載致します。不満を感じたりムカつく人は、そもそも参加しないでください。よろしくお願いいたします。以下、3月2日に書いた、、、


村上隆の『偏り過ぎた現代美術講座』に参加していただく方へのお願い>


僕は最近のネット界隈での不愉快な出来事への反省から、今回のイベントに参加していただく方々へ、次のようなお願い事を致します。


●ネットへの実況、個人ブログへの内容の打ち込み掲載は、控えていただきたい。というか、止めて欲しいです。
●もちろん、録画録音撮影禁止です。
●なんでもかんでも実況する風潮に反旗を翻したい。
●今回は広く外に情報が流出しない、という前提でお話したい。


誰でもなんでもかんでも知れる時代だからこそ、そうでもない情報や会合もあっていいと思うんですよ。金を払ったんだから、と、威張り腐る客は、現代美術の業界では作品を買わせてもらえません。マナーの悪い客はスポイルされるのです。なぜなれば、芸術とは秘匿したり、自分だけで意味を暖めたりしていいジャンルなんです。なのに、なんでもかんでも美術館に行って、安い入場料で観れると頭っから信じてる観客は、傲慢になりすぎていると思う。そんなこたぁないんですよ。お茶の世界が盛り上がっていた時は、秘匿された作品がばば〜んと出てきて、その茶会がもりあがったりしたもんです(見たこと無いけれども)。それと、、、


★文脈を改変されて言葉を繋ぎ合わせられ、批判されるネタを造るのを止めたい。
★秘伝のタレを教える講座が垂れ流しにされてしまっては、そのタレを作るのに苦心惨憺してきた側としては正直「やってられない」。


ということでもあるんです。あと、転売屋とか、本当に最低ですよね。僕が転売屋を100%否定するのは、品がないからです。小銭を稼ぐために早めに若手の作家の作品を購入し、香港のオークションあたりに出品して、売れないと文句を言う。クソでしょう!クソ!こういう転売屋クソです。おっと、品格の話をしていながらクソの連発はいけませんでしたね。ははは。こういうことを言えば言うほど、今回の会に忍び込んできて、スパイのような事をする輩もいるかもです。有料なんだから何でもやって何が悪い、と逆ギレする人の可能性も大きい。なので、入場する前、料金をお支払いする際、一筆サインを頂きます。あなたの身元を書いていただく。そして上記の事を行いませんという覚書にサイン、です。それに準じて頂けなければ、入場は出来ないようにしたいです。この構造に文句のある人で、入場して文句言ったら退場してもらいます。サインなんて紙切れですよ。嘘を書いてもバレなきゃバレないでしょう。でも、そういう形で敷居を上げたい。,,僕は日本人の芸術への超弩級リスペクトのない状況に対して本当に怒っています。なので上記の事を理解してもらって、かつサインもしていただける人だけ来てください。今回は、特にそういうクローズドな会なのです。
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以上です。
ちあまん:村上隆


村上隆の「偏りすぎた現代美術講座2」申込フォーム
http://goo.gl/dcA3Jh


【参加条件】
1.GEISAI#20にエントリーしている方:参加無料


2.GEISAI#20にエントリーを考えている方
(29歳以下のアーティスト):参加費¥2,000


3.一般聴衆(29歳以下):参加費¥2,000


《申込後の手順》
●申込フォームにご登録頂きましたら、実行委員会より受付確認メールをお送り致します。
※参加費のお支払いは当日受付にてお願い致します。


●受付時に年齢確認が必要となりますので身分証をご持参ください。


●受付時に同意書にご署名頂きます。
※同意書:http://goo.gl/rvmWgV


●その他受付についての注意事項は申込締切後、別途実行委員会よりメールをお送り致します。
※記載された注意事項等をよく読み当日ご来場下さい。
※受付会場は、中野ブロードウェイ4Fスペースを予定しております。( http://goo.gl/nRJ2V2 )


●会場( http://goo.gl/Xpdcyy)と受付場所( http://goo.gl/nRJ2V2 )が異なりますのでご注意ください。


《開催日時》
●4月5日(土)17:00〜開始
※当日の詳細なスケジュールは別途メールにてご連絡致します。
※開始時間は変更になる場合が有ります。予めご了承下さい


https://www.facebook.com/media/set/?set=a.793511270677336.1073741947.163407270354409&type=1