2023年10月9日(月)よりHidari Zingaroでは、「GEISAI#22&Classic」でob賞を受賞された、 山田太郎による個展「 あな たのよこがお 」を開催いたします。
2023年4月30日に東京ビッグサイトで開催された「GEISAI#22&Classic」。 これまでに100名以上ものアーティストを生み出してきた、アーティストインキュベーションイベントであるGEISAIは、
昨年に8年ぶりの復活を遂げました。今回のGEISAIは【29才以下】対象のGEISAI#22に加え、【30歳以上】限定のGEISAI Classic併催。村上による記念NFTの配布や特別審査員を務めたRTFKTとのコラボレーションイベントも同時開催するなど、 盛況のうちに閉幕いたしました。
全受賞者13名の個展を2023年7月から2023年12月にかけて、次々と開催いたします。
本展覧会はGEISAI#22&Classic受賞者展の第七弾となっております。
GEISAI#22&Classicの審査員が見出した、新たな才能を是非ご期待下さい。
《GEISAI#22&Classic審査員 obのコメント》
「すごい良い作品がたくさんあったのでとても迷ったんですけど、
やっぱり自分がキャラクターを使った絵を普段から描いてること
もあって、キャラクターだから選んだってわけではないですが、
山田さんの作品をみた時にキャラクターが描かれていて、絵画的
に凄く惹かれる部分があったので選ばせてもらいました。」
作家からのメッセージ
私は絵画とデジタルイラストの領域を行き来しながら、作品制作をしています。主
に実際に訪れた場所と少年少女をモチーフとし、私小説的な世界観を目指していま
す。
その制作の中で最近は、「内外の境界」について思索しています。社会の中で生
きていると、自他境界の線を曖昧に感じることがあります。他者と自分の区別が不
明確なまま、自己の発達過程で多くの情報や感情を内在化させてきました。
都市と自然が未分化のまま侵食しあってるかのような風景の中で、内側の輪郭が
曖昧な少年少女たちが、少し悲しみを帯びた瞳でこちらを見つめています。それは
未熟で純粋なかたちをした現代を生きる私であり、私たちとも言えるでしょう。人
工物と自然、他者と自己の関係性が影響し合い、内面世界で一体となる様子を描い
ています。
その一体化してしまいそうな内側のストリームの一方で、物質的な個という観点
から見れば、個人同士は一つになれないという孤独感がどこかにあります。二人で
いることで、より自分の形がはっきりして、際立つ外側の輪郭線に鮮烈な切なさを
覚えます。
そんな自分の心のうちで起こっていることを今度は絵にして外在化します。衝動、葛藤、願望を投影することで、また新しい自分の内面を知ったり、あるいは誰かの世界の一欠片になったり、そういう循環の中で「生きている」ことを感じることができます。
今回の展示のタイトルは「あなたのよこがお」(Your Profile)です。横顔とProfileという英単語は同じ意味ではあり ますが、日本語の「横顔」には、側面から見た顔の他に「ある人物の一般的には知られていない面」という意味を指す ことができます。またProfileという単語も、輪郭線であったり、断面であったり多義的な意味を持ちます。展示会名の ように、一点からの視点だけでなく、多層的な構造でご覧ください。
最後に、このような貴重な機会をいただけて大変嬉しく思います。村上隆さん、obさんはじめ、関係者の皆様にお礼 申し上げます。これからも創作活動を続けていきますので、ご興味いただけますと幸いです。
