かっこつけたって、世の中かわんねぇ

GEISAI NEWS 2014/1/28 発行


『何度も言うようだけれども、、、現代美術は西欧に軸足があるんで、そこんとこ勉強しないと、どこまでいっても、ひとりよがりアートにしかならんこと、そろそろ本当に知って欲しいです!』


かつてGEISAIに参加したことにある人
もしくは興味本位でGEISAIのメルマガをとってる人へ。
GEISAIちあまん であり、カイカイキキの社長やってて
ギャラリーとかを運営してるアーチストの村上隆です。


こんちわ。


みなさん。
まずは今、カイカイキキギャラリーでやってる、ヒュースコットダグラス、観てくれたかな?
http://gallery-kaikaikiki.com/
今回のGEISAIへの参加資格のある25歳で、君たちと同年代の作家さん。
そして世界のトップランナーです。どこが皆さんと同じでどこが違うのか?


同じとこ。
まだトップランナーと言っても駆け出しだし、金があってどうこうってわけじゃない。ブルックリンの小さなスタジオを借りてて 使ってる素材は、日本の漫画のスクリーントーンだよ。
それを床に落として、ゴミがくっついてきて、それを複写してパネルにキンコスみたいなとこで転写して、そこでちょこっと知恵 を働かせてUVコートして、ハイ出来上がり。
プロセスには金がかかっているわけでもないし、神がかり的なテクニックが有るわけでもない。


違うとこ
コンテクスト、文脈を踏んでいる。
戦後の芸術の歴史、特に絵画史、そして写真史。
抽象画の歴史、1970年台から90年台への推移したミニマルやコンセプチュアルアートへの韻を踏んだ流れ。
そこに、複写技術の発展や、マンガカルチャーの奇形化した進化、テクノロジーの進化、ハンドメイドとレディーメイドの距離 感、等を理解して、自分の立ち位置の明確な表明。


つまり、当たり前なんだが、きっちりアートの勉強をし、そして己の立ち位置表明を簡略に判るようにしていて尚、表現に面白 さ、セクシーさ、所有欲をくすぶる何かを醸し出せている、という部分がプロになっているアーティストの強みなんだがそういう アートを見て欲しい、と思って、僕らは作家を招聘し展覧会やってるのに、全然見に来てくんないんだなぁ〜。


なんでですか?
GEISAIの諸君!
まずは見に来てよ。


最近のGEISAI参加アーティストの傾向と行ったらね、、、
マンガ・アニメの劣化表現をキャンバスやボードに描いたり、プリントアウトしたり、、、って、ここまで、ヒュースコットと変 わりないね、、、。。。
でも、じゃあ、歴史への韻は踏まれているの?
自分の立ち位置は其の歴史の中の何処にあるのよ?
そこまでは言及できない。いい加減。
自分は有名になりたい、とか、マンガ下手でもアーティストになってもいいすか?的な。
あ、それ、俺が悪い例造っちゃったかね、、、。。。ははは。


インテリジェントもないし、アートとはなにか?という問いかけも少ない。


それで良いのか?


良くない!
と思って僕はGEISAIをやり続けてる。


自分が可愛くて、でも自信がなくて、勉強が嫌いで、臆病で、そしてガッツがない。
ここまではいいよ。ここまでは。それを自覚してそこを突破し表現者になろうとすればいい!
でも、そうじゃないじゃん!
狭いテリトリーでの文句の言い合い。
頭がいい雰囲気を出そうと必死。かっこつけしい。


かっこつけたって、世の中かわんねぇ〜だろ。
つか、変えたいって野心でもなけりゃ、ボンクラが表現者になる意味無いじゃん。


まとめると、、、。。。


1,ヒュースコットダグラスの個展、見に来てよ。感想を聞かせてくれ。
2,GEISAIに出す作品の制作背景は、出展当日まで言い訳でもいいから考えてくれ。


そゆこと。
是非、一回、考えてみてね。


じゃ!



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